「し……ら、いし?」



俺の心臓は、今までにないくらいドキドキしていた。




「行かないでよっ……あたしが、いじめられても我慢できたのは…笑っていられたのは…先生のおかげなんだよ?」



俺の…おかげ?




「先生が、あたしに話しかけてくれたからっ!先生のそばにいられるなら、いじめも耐えられた!!」




俺は、嬉しくて嬉しくて…


ぶっ飛びそうだった。




俺は、沙帆を抱きしめてもいいのか?



「だってあたしはっ…先生が…っ!!」




沙帆にキスをした。



先生と生徒の関係なんか忘れて。




ただ単に、目の前にいる一人の女“白石沙帆”が愛しくて。




「んっ…せんせぃ……」


沙帆の甘い声。



それだけで、とろけそうになる。



「白石………」




沙帆の甘い声に溶けて。

沙帆の甘い舌に酔って。

沙帆の甘い香りに痺れた。




「ハアッ……先生…」



唇を離すと、赤い顔の沙帆。


可愛くて、可愛くて。



もう一度キスしたい気持ちを抑えて、俺は言ってしまった。




「白石が好きだ。」










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