キーンコーンカーンコーン…
俺はその後、授業がないので移動のある教室でサボろうと、廊下を歩いていた。
「おっ、ここあいてる〜♪って、白石の教室じゃん。」
沙帆のクラスは、体育だったみたいで、窓からはトラックを走る沙帆の姿が見える。
「アイツ足おっせぇなぁー…」
自然と、沙帆のことを目で追う。
自分が微笑んでいることなど気づかずに。
「……ん?」
走っている最中に、少し沙帆の腹が見えた。
「あざ……?」
どうしてあざが、腹にできるんだ?
「部活は入ってねぇし…虐待も、ありえねぇよな…?」
前に、沙帆が居残り勉強していたら、学校まで迎えにきたくらい沙帆の両親は心配性だ。
だとしたら……
「いじめ…?」
俺は急いで沙帆の机の中をみた。
「…!!」
教科書には、
“死ねブス”
“クズ”
“キモい”
そんな悪口が、
これでもかというくらいに書いてあった。
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