「えっ、そんな汗やばい?」




「すごいよ?キミ何組?先生に言っといてあげようか?」




ん?


この子は…
俺が生徒だと思ってるのか?



「あのさ……俺が先生なんだけど。」




その子は、しばらくキョトンとした顔をしたあと、焦りだした。




「えっ…えぇ!!せ、先生!?ごめんなさいっ」





焦って、泣きそうになってる顔が可愛くて。

笑ってしまった。



「あははっ、いーよ!若く見えたってことだろ?嬉しいし♪」




「うぅ……ごめんなさい…」



まだしょぼん…としているその子の頭を、俺はくしゃっとなでてやった。




「気にすんな♪おかげで緊張ほぐれたし?」




「……はいっ!これからよろしくお願いします、先生♪」


「おぅ!よろしくな♪」



俺たちは、
笑顔で挨拶をかわした。





思えば、
もうこの時に俺は、沙帆に恋していたのかもしれない―…










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