授業が終わり、さっきの話なんか忘れて、あたしは凪ちゃんのよくいる教科準備室へとダッシュしていた。
がらっ
「凪ちゃーん!!」
「ん…?また青山か……」
凪ちゃんは、あたしのことを“青山”と呼ぶようになった。
前は“青山さん”だったのに。
「凪ちゃん、寝てたのっ?だめじゃん、先生が寝ちゃあ。」
青山さんから青山に昇格したことがうれしくて、少し顔がにやける。
どうせなら、雛って呼んでくれればいいのに…
「凪ちゃん、スキ♪」
「はいはい。そんで、今日はどこ教えてほしいの?」
「凪ちゃん、あたし本気で…っ」
「教えてほしい所がないんなら今すぐ教室帰ってねー♪」
うっ…
もっと凪ちゃんと一緒にいたいよ……
「……ここがわかんない…」
あたしは結局、素直に質問するのだった。
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