――――…
「凪ちゃあーんっ」
あたしは、いつもの場所にいた。
「おー、雛。どした?」
いつもと同じ凪ちゃん。
違うのは、名前で呼んでくれていること。
あたしは、それだけで死んでもいいってくらいの幸せを感じた。
「今ね、新のこと……振ってきたよ。」
「……そっか。」
「…凪ちゃんが好きだから、新の気持ちには答えられないって言ったよ。」
「雛……おいで?」
凪ちゃんは、ソファーから身を起こして、あたしに向かって両手を広げた。
ドキン…
キュ‥
凪ちゃんは、あたしのことを優しく抱きしめた。
そして、耳もとで囁いた。
「……今は、ほかの奴のことなんか忘れて、俺のことだけ考えて?」
「……っ…うん……」
「イイコイイコ♪」
凪ちゃんは、機嫌良さそうにあたしの頭を撫でた。
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