「なんで…なんで、雛なの?なんであたしじゃなくて雛なのっ!?」 …今のあたしの気持ちと、同じ。 “なんであたしじゃないの?” 好きな人が見てるのは、自分じゃなくて、他の誰か。 こんなに辛い事って、ないよ。 「小さい頃から、ずっと好きだったのっ!なのに、見てるのはいつも雛…っ」 「雛を見る新の目を見て、何度泣きそうになったかわからない!!」 わかるよ、その気持ち… 「辛いの…辛いよ……好きでいるのが、怖い。」 林檎は、そこまで言うと、ベッドに座り、泣き出した。 .