続!イジワル王子とお姫様

そこへ、杏登場!


「すみませ~ん。あの、彼氏に差し入れを」


ニンマリ笑う杏が、蝶野さんを押しのけ、無理やりに音楽室の中へと入っていく。


「彼氏って……」


蝶野さんはそう言って、なんだか不服そうな顔で、杏を上から下まで眺めている。


「あ、私じゃナイんです。ナツキくんに用があるのは、このコですから!」


ウソッ!


杏は一度ろう下まで出てきて、私の手をグイグイと引っ張る。


……怖っ! 一瞬蝶野さんの顔が、オニの用になってたけどぉ。


「杏……ヤバくない? 挑発したら逆上しそう……」


「大丈夫だよ。あーいうタイプは、黙ってたら損するよ。言うコト、ちゃんと言っとかなきゃ。

桃香がいるのに、でしゃばんなっての!」