続!イジワル王子とお姫様

差し入れしてもらって、「ありがとう」も言えないような彼氏はイヤだけど、今は別……。


蝶野さんとあんまり仲良くして欲しくナイよ。


ジッとふたりのやり取りを見ていると、音楽室内の楽器の音が鳴りやんだ。


そのせいで、銃士くんと杏の大きな声が、音楽室にいるひとたちにまで聞こえたみたいで、みんなが一斉にコッチを向いた。


もちろん、ナツキくんも。


私がいるなんて思ってもみなかったみたいで、一瞬驚いた顔をすると、なぜかその場でうなだれていた。


私たちに気付いた蝶野さんが、ツカツカとやってくる。


キリッとした目もとがクール過ぎて、怖い。


メイクも頑張り過ぎて、ちょっと怖い。


「誰に許可もらったの? 勝手に入っちゃダメじゃない」


うわ、いきなりこうなんだ。どうしよう、今にも私たちをつまみ出しそうな雰囲気だぁ。