続!イジワル王子とお姫様

「うわぁ、アレっていかにもだよね。ちょっと、銃士くん止めてきてよ」


杏が銃士くんを押すけど、イヤがってる。


「蝶野さんさぁ、怖ぇーんだって。人当たりはいいんだけど、意見すると氷のような一言が飛んでくる」


「うわっ、性格悪っ。そんなオンナ、ナツキくんに近づけないでよ~」


「けどさぁ、基本的には悪いひとじゃナイし? 美人だから……ぐえっ!」


杏が銃士くんをうしろから羽交い締めに。


「美人とか、そこ関係なくない?」


「そーでしたぁ……。とにかく、オレは苦手なんだよな。できれば話しかけたくナイ」


そうなんだ。


だったら尚さら、ナツキくんだって苦手なハズ。


……あっ!


そう思ってたのに、蝶野さんに缶コーヒーを渡され、ナツキくんの口もとは、僅かに笑っているように見えた。