続!イジワル王子とお姫様

「てのはウソで~、ナツキが懐かないから、あぁやって話しかけてるみてぇ」


懐くって……。ナツキくんは女の子とは率先して会話しないもん。


そんなの、銃士くんわかってるんじゃないの?


私が心配しないように、そう言ってくれた?


不安な表情で銃士くんを見ていると、杏が私の肩をポンポンと叩いてくれる。


「桃香、心配しないのっ。あんなの、ただのオバサンじゃん」


「……へっ?」


「3年でしょ。ナツキくんは、桃香みたいに女の子らしいタイプが好きなんだよ。


色気出して迫ったってムリムリ!」


そう言って、杏は蝶野さんの開いた胸元を指差す。


……うわぁ。


生徒会役員のハズなのに、規定の制服じゃないシャツを着ていて、胸もとがかなり大きく開いている。


そして、ナツキくんのとなりに座り、一生懸命話しかけていた。