続!イジワル王子とお姫様

突然の行為に、ナツキくんは無表情のままロングヘアのひとを目だけで追う。


そして、フイッと顔をそらし窓の外に顔を向けた。


……良かったぁ。あのまま笑顔になったりしたら、どうしようかと思った。


「ちょっと、なにアレ!」


私が言うより早く、杏がナツキくんとロングヘアのひとのやり取りを見て怒りだす。


「蝶野(ちょうの)さんのコト?」


銃士くんがニヤニヤして言う。


「……ちょうの?」


「なーんかナツキにベタボレっぽい」


「えぇっ!」


胸がギュッと痛くなる。そんなぁ……。ナツキくんに、近づかないで?