「前見て歩けば? 転ぶぜ」


「わかってるー」


顔上げれないよ。だって、真っ赤だもん。


どうしてこんなにすぐ赤くなっちゃうんだろ……。


「あぁ、ヤダなぁ。すぐ赤くなるの治したーい!」


「つーか、そういう桃香が、いーんだけど」


ナツキくんは、私を見てニッと笑った。


……えっ?


私が喋ってる途中で、ナツキくんがかぶせて喋ってきたから、


なんて言われたのか、聞きとれなかった。


「な……ナツキくん、もう1回言って?」


「言うかよ。ボーッとしてんのが悪いんじゃん」