ぎゃっ、逆効果だし~っ。うわぁ、どうしよう。


だって家は、なんとなく危険。


けど、断ったら嫌われちゃう?


それとも、私が……構えすぎなのかな。


ううんっ! ダメダメ!


行ったら……なにか起こりそうな気がする。


ドッキン、ドッキンとしている心臓。


そんなコトを知ってか知らぬか、ナツキくんは私の手をパッと離した。


そして、カバンから単語帳を取りだす。


「明日のテスト、受かんないとマジでマズいんだって。

桃香、英語得意だろ? オレ、桃香に教えて欲しーなぁ」


そう言って、ナツキくんにしては珍しく、


甘えるような態度と目つきで、ニッコリと微笑まれ……。