九条さんはじっとサラダの乾いたようなキュウリをフォークに刺したままこっちを見てる。

京は、私に質問を投げかけたまま、小首を傾げている。

「…えと…。」

私の視線は泳いだ。

「海には彼女がいるじゃない?」

その視線は、食べかけのオムライスにとまる。

「うーちゃんの事、聞いてんだけど。」

手を動かし始める京。

「私は…。」

「ん?」

「海の事を尊敬してる。」

…合ってると思う。

海の真っ直ぐな所がすごいって思う。

たから、尊敬してる。

「変。」

海にも言われた言葉を九条さんにまた言われる。