思い出すのは、噛みつかれたこと。

まだ、しっかりと歯形が残っている。

「…やられた。」

「椎名に甘噛みされるなんて、うーも大変なのに目つけられたね。」

甘噛みなんて、可愛いものじゃない。

本当にあの時は、首を食いちぎられるかと冷や冷やした。

「…で、うーちゃんは海の事好きなの?」

京は水を飲み干して急に話す。

…………は?

どういう話の流れから、それが出るのか。

私がどうしたと?

「…何の引っかけ問題?」

「サービス問題でしょ。」

ケラケラ笑う京。