よく足をかけられたりするようになった。

腕や膝の傷が絶えない。

ローファーの水をきって靴箱に向かった。

…別に私は良い。

今まで一人きりだったしこういうのにも耐える事が出来る自信がある。

でも、それを許してくれなさそうな人。

「…何してんだ?」

ポタポタと水が垂れるローファーを見て、口を開く。

初めて私から手首の傷を明かしたあの人。

「…水たまりに、入っちゃった。」

海にばれるのは、嫌。

迷惑かけたくないし、この前すごく面倒な事をさせたから。

必死に嘘をつく。

けど…。

「今日昨日、雨なんて降ってねぇけど?」

時間の問題らしい。