…またか。

私は靴箱の中を確認して溜め息を吐く。

殆ど夏服の中、私だけYシャツとセーターを着ている。

上履きのまま中庭に出て自分のローファーを探した。

『夜の大蛇』を尊敬する人がいれば、邪魔に思う人もいる。

そして、標的は私になったらしい。

泥だらけのローファーを見つけた。

…まだこんなの優しい方だ。

そう心の中に言い聞かせて、近くの水場でローファーの泥を落とす。

こんなのは、いくらでも買い換えられる。

肝心なのは、生身の体の方だった。