空を見上げた。

そういえば、この場所は星が瞬かない。

看板とかの光が強すぎるんだ。

行き来する人々から少し視線は感じるけど、誰も目を合わせようとしなかった。

多分、私が行き来する人の方にいたら、そうしていたと思う。

黒いロングブーツのつま先を見た。

「――…あんた、おかしいんじゃねぇの?」

鼻で笑うような声と動く音がした。

隣を見ると、金髪の男がこっちを見ながら胡座をかいていた。

肩を顔をしかめて回している。

切れた口元が痛々しい。

にしても、素晴らしいくらい綺麗な顔を持っていて、傷が目立った。