世の中は綺麗じゃない。 北街の海も繁華街も排気ガスやネオンに濁されている。 陸、私、運命の人に会ったの。 きっとこれ以上、好きになれる人なんて居ないと思う。 「…海。」 「あ?」 海の襟足に手を伸ばすと海は屈んでくれる。 飛びつくと、宙ぶらりんな格好になった。 やっぱり怪力…! 今までありがとう。 これから分もありがとう。 さっきからくっついて離れてない私達を陸は呆れた顔で見ていそう。 海はちょっと笑いを零した私に怪訝な顔をする。