京や九条さんの居ない海の中学時代。 私には亜利哀や茨がいたけど、海にも仲間がいたんだろうな。 土手の上を歩く二人の影が、川に映る。 「李久さん、結婚するの?」 前を歩く海の指先を掴んで、聞く。 「らしい。」 手を握ってくれて、ホッとする。 安心よりも安堵。 「海も行くの?」 「多分。」 「ブーケ取ってきてね。」 歩みを突然止める海。 私は前のめりになる。 どうしたの!とアスファルトから海に視線をいかせると、怪訝そうな顔をしていた。