ピタリと時間が止まる。 正確には、私の体が止まったのだけど。 「カワイイ連れ、居んじゃねーか。」 「離せ、その手。」 「ん?何かな、シーイーナーくん。」 「…表出ろや。」 その一言で、空気が変わった。 私が海を止めるのより早く、海は動く。 その人からうめき声が聞こえて海は襟首を掴んでファミレスの出口に歩いていった。 「う…海!」 叫びに近い声をあげた私は、海を追いかける。 最近、喧嘩をしていないからストレスが溜まっていたのかもしれない。 周りの人達は、固まって動かない。