うん?と、顔を上げると近距離で海と視線がぶつかり合う。 「昼飯。」 「あ、ごめん!」 バタバタと本を片付けて部屋の外に出る。 こんな沢山本を読む海が私達の入った高校を馬鹿校と呼ぶのも無理無いなと感じた。 階段前で目の前を歩く海が止まる。 どうしたの? そう聞こうとしたら、下の階から笑い声が聞こえた。 普通の家族の、家族団欒の笑い声。 「…遠ざけてたのは自分のクセにな。」 一段目に座りこむ海。 「たまに、俺が不必要な気がしてならなくなる。」 …海が寂しそうに見えた。