灰色の特攻服。

大蛇と夜のような紺色の文字。

最初に会った時、海が持っていた服。

「…すごい。」

「あ?」

「ちゃんと見たこと無かったから。」

紺色の文字。

“夜を支配する者に値し
大蛇の如く
偉大にあれ”

海に合っている言葉。

海にしか合わない言葉。

「着る事もねぇけど。」

「どうして?」

海は回転椅子を引いてくれた。

ありがとう、と言ってそこに座る。

「今はそんなん着ねぇ。」

「…流行りじゃないから?」

「蝶の総長が嫌ってんだよ。喧嘩しにくいってな。」