背後には海が居て、腕を掴まれる。

「よくこんな可愛い子が着いてきてくれたわねぇ?」

「煩い。」

「すごい趣味悪かったの直って良かったわ。」

「上行こうぜ。」

私の腕を引っ張って、リビングから出る扉へ引き摺られる。

「ま、待って海のお父さんにも挨拶を…。」

「仕事行った。」

見ると、さっきまで椅子に座っていた海のお父さんが居なくなっていた。

…早業だ。

階段を上がって、奥に海の部屋はあった。

本棚と勉強机とベッド。

それは私と同じだけど。