私は入っていいのか分からなかったから、玄関で立ち止まったら、

「何突っ立ってんだよ。」

文句を言われた。

海の後に続くと、大きいリビングに出た。

「勝手に冷蔵庫から飲み物取って良い。」

急に何を言う!?

「…え?あ、うん。」

「腹空いたら、これで近くのコンビニ行け。」

と言って、義務的に諭吉さんがテーブルの上に置かれた。

「…何で?」

「今から寝る。10時になったら起こせ。」

命令口調で、そんな事を言い出す。

私は慌てて行ってしまおうとする海の腕を掴む。

「何で?」

「何でも。」

振り払いはされなかったけど、私の手は離れた。