修了式が始まる。

やっぱり周りはだらしなくて、数人か座っている人もいる。

海も京も九条さんも居ない。


普段通りの学校。

三年生はもう卒業をしていて、体育館が広く見える。

そしてその分、静かになった気がする。



「─では、ハメを外さないように──。」


校長先生の話が終わって生徒達が教室に戻っていく。

黒髪の方が少ないその中に、私は一人で戻る。

来年も同じクラスメートのまま。








「進級おめでとう。」

車の後部座席に座る海に言う。

「…嫌みに聞こえるのは気の所為か?」