あれは、そう。

私が水族館から帰った日のこと。

「私、やっと分かった。」

「何が。」

「海が前に夢を見るって言ってたでしょう?私が…離れてっちゃう夢。」

黙る。

…照れてる?

「…なんでそういうのを覚えてんだよ。」

「…ごめん。
でもね、私も夢見たよ?海が溜まり場のソファーに座って…ソファーに寄りかかるのは海の元カノさん。」

あの夢を見た時、衝撃的だった。

衝撃的よりもショックが大きかった。

「気持ち悪ぃ夢だな。」

「き…気持ち悪いって。」

「その話止めようぜ?夢に出てきそうだ。」