笑うのを抑えていた海が止まった。 「…誰?」 「うん?」 「誰の墓だ?」 確かに、海は変だと思ったんだろう。 親の仲は悪いのに、どっちかの家族の墓参りには行くのか、って。 「…妹の。」 「あ?」 「私の妹。陸っていうんだけど、私が中3の時に事故で。」 それから、もう二年も経つ。 九条さんのお父さんと九条や京は聞いてなかったみたいで、ウニとイクラの戦争の話をしている。 海は固まったまま。 …あ、そっか! 海に妹のことは言ってなかったんだっけ! 今更のように思う。