すぐに出てきた中トロが私の前に置かれる。 やはり、私の分らしい。 「京は3月に親に会いに行くのか?」 「一応。弟と一回帰るかとは言ってるけど。」 「海は?」 「多分、帰る。」 そうなんだ…。 「雨水さんは?」 「ふぁの…。」 まさか言われるとは思っていなくて、口いっぱいにトロを詰め込んだままだった。 それに隣の海は吹き出す。 「あの、お墓参りに行こうかなと思います。」 「そうか。」 いつ、名前を知られたんだろうか。