囲われる? 眉を顰める。 「家…なのに?」 私の家は確かに放任過ぎたけれど。 囲まれていると、思ったことはない。 「家だから。じゃねぇか?」 「家だから?」 「一番傍に居るから、束縛しようと思えばできる。他人じゃねぇんだ。 傍にいるから…辛い。」 「う…海?」 一瞬、怖くなる。 海はこっちを見て、目を合わせた。 「ん?」 「あ…ううん、何でもないよ。」 首を横に振る。 海もそういう経験をした事があるのかもしれない。