長い髪をひとつに束ねた九条さんはふんと鼻で笑う。 「甘いのとしょっぱいの。」 「私は…甘いのかな。」 「はぁ!?」 九条さんの顔が歪んだのを見て、ひっと小さく悲鳴が零れた。 「何言ってんの!?」 「だよな、甘いのだよな!」 「……おいコラ。」 海の低い声が通る。 「静かにしろやってのが聞こえねぇのか?あ゙?」 すごい迫力…!! 隣からの威圧感に押しつぶされないように少し離れる。 「あ。そうだそうだ。」 思い出したように九条さんは口を開く。 京は口を閉じた。