「…面倒くさくなったでしょう?」 私は目を細める。 なんだ、目的は果たせていた。 「…あ?」 「もう止めた方が良いよ。面倒くさいでしょう?こういう女。」 「…。」 「私も頭腐ってる女の一人なんだよ?」 自分を蔑む言葉ならいくらでも並べられる。 どんなに心をカッターナイフで傷を入れたって、他人には見えない。 心の中で泣いたって誰にも分からない。 都合が良い。 「…どうせなら泣き喚こっか?」 自嘲的に笑ったって、海の瞳は揺れない。 もしかしたら、私がそう言うのを待ってたのかもしれない。