まるで、こうなる事を予想していたかのように。 …流石、だと思う。 「もしもし。」 『少し常識を持って電話をかけて欲しいんだけど。今何時かわかる?』 そう言われてから、私は携帯の時計を確認する。 深夜3時。 「ご…っごめんね?」 『はいはい。今隣に彼寝てるの、大きい声出さないでね。』 「はい…。」 ちいさな子を諭すような声に、従順になる。 やっぱり亜利哀も夜の人だからか、いつもより饒舌な気もする。 『…ご用件は?』 すっかり黙りこくった私に、亜利哀はクスクスと声をたてて笑う。