「大原さん、紹介して。」 「仲良いんでしょ?」 「大蛇のNo.1だもんねぇ?」 私をだしにして、『夜の大蛇』にお近づきになりたいらしい。 「久しぶり、大原雨水。」 屋上に行くと九条さんがいた。 あれ以来会っていないから久しぶりだ。 そして、まだ京の姿はなかった。 大体、京がこの屋上にいる。 海がいるのは、2日に1回とかであまりいない。 パンを片手に文庫本を読む九条さんは、何かに耳を済ませているよう。 「どうしたの?」 私は尋ねた。