「…ど…。」

「ど?」

「…どちら様ですか?」

電話口じゃあるまいし。

自分で言いながら、笑えた。

「石塚麻衣子。22歳で彼氏持ち。よろしくね?」

「よろしくお願いします…。」

海とはどういうご関係ですか?とは聞けない。

石塚さんは、満面の笑みで、

「偉い!さすが、そこ等の馬鹿共とは大違いね。」

「馬鹿…?」

「あ、海に連絡。」

思い出したように、石塚さんは扉の向こうに行ってしまった。

ここは石塚さんの家?

ベッドからは何故か、保健室を連想させた。