あの光景や夢が重なってグチャグチャになる。 夢が正夢になったら、それこそきっと私は壊れてしまう。 私は席を立って、カバンを前に抱えた。 俯き加減に足が向かった方向は、屋上とは反対だった。 繁華街を通らないと、海には行けない。 顔はあんまり見られないように…とカバンで顔を隠すけど、制服で分かってしまいそう。 補導の人に見つかる前に大通りを通り抜ける。 目の前に広がったのは、灰色の海。 空が曇っているからか、いつか見た時の青い海ではなかった。 「…どうして。」