助手席に乗る京の足元には、九条さんが買っていた紙袋が見える。 「海って溜まり場にいる?」 最近、あまり溜まり場にいない海。 「いるいる。」 京は軽く笑いながら答えてくれた。 溜まり場の玄関に入って、深呼吸をする。 構えるようにカバンを胸の前で抱きしめ、階段を上がった。 踏みしめる音と心臓の音が重なる。 扉を開けたその先には。