私の存在に思い出した二人は、こっちを同時に向いた。
「あ、決まったなら行こっか。」
九条さんはさっきまでの言い争いは無かったのように、笑顔。
「じゃあ、人待たせてるから。またね、雨水。」
鮮やかな笑みを見せ、すぐに人混みの中に姿を消す亜利哀。
…どっちも恐ろしい。
「どうかした?」
小首を傾げる九条さんはその事に気づかないみたいだから黙っておいた。
言わぬが仏。
なんて素晴らしい言葉。
溜まり場に、海も京も居なかった。
「見回りか、倉庫。」
九条さんが一階に行ってしまったので、私も後を追う。
メニュー