「…え。」 「嘘に決まってんでしょう?ちゃんと市販の高いのを買うから。」 嘘が上手い。 私はその事に驚きながら九条さんの後をついて言った。 並ぶチョコレートにどんな差があるのかは、正直よく分からない。 でも、迷ってしまうのは確か。 こっちもあっちも…なんて考えてると、すぐに時間は過ぎていく。 …全国の彼女さんは、今までこれを幾度となく繰り返しているんだ…。 すごいなぁ、なんて感心してると視界に目立つ色の髪が映った。 それはまるで薔薇みたいなダークレッドの…。 亜利哀だった。