「『夜の大蛇』と関わっても周りに話そうとしない事。」

私は、生に執着していないからと言って命を他人に渡す程、自分が可愛くない訳ではない。

海の質問の答えは、ただ一言だった。

「怖かったから。」

私を見る目が変わるのが。

普通から手放されるのが。

多分、裏ではヒシヒシと情報が撒かれて、いつかは変わってしまうのだろうけど。

「…俺らが?」

傍観を決め込んでいたと思われる京から、言葉が聞こえた。

私は頭を振る。

それ以上、誰も何も問いかけて来なかった。

私は京から貰ったあんパンを食べて少しうとうとした。

そして、午後の授業を出るのも止めようと考えてあることを思い出す。