私は海に会う前から、そういう性格なのだから。

しかも、無理矢理な感じで海の前で泣いたし。

「…一緒に寝てあげようか?」

でも、初めて海を好きになった。

「…襲うぞ。」

「こ、困る。」

海が笑うから、首元に髪が当たってくすぐったい。

私は嬉しかった。

寝る時でさえ警戒心を解かない海が、私の近くに居てくれる。

「ずっと、海の傍に居たい。」

「居たい?」

「だって、分からないでしょう?この先、海が私以上に誰かを好きになったりするかもしれない。」

誰にも未来は見えない。

「ならねぇよ。お前だけで充分。」