海がいた。 困惑が混じった顔で、私をみている。 「…何で?」 私は分からなかった。 海がここにいるのも。 怒鳴られたことも。 答えは返されず、私のお腹に回った腕に引きずられるように波打ち際まで戻った。 …指輪!! 波が往ったり来たりする。 もう見つからない。 「…雨水。」 頭上から聞こえてくる声に思わず身を竦めた。 また怒鳴られるかと思ったから。 「もう怒鳴らねぇから。」 それが分かったのか、海は少し腕に力を入れて抱きしめる。 「何探してた?」