中学の時から。

二人が違う人を好きでいて。

それを愛人と呼ばれる事も。

この状態が長くは続かない事も。

その場面に遭遇した私の足元にコロコロ…と何かが転がってきた。

それは、二人の左手の薬指にはまっていたもの。

私は聞いた。

「お母さんとお父さん、離婚するの?」








我ながら、冷静な態度だったと思う。

朝ご飯を食べ終えて、薄いコートを羽織った。

今日も雨は降らないようで…喜ぶべきかな?

早くに支度が出来たからメールをした。

海に。

“行ってきます”とだけ。

すぐにメールは帰ってきた。

“行ってこい”

相変わらずの命令口調に笑みが零れた。