九条さんの腕に触れる。 振り払われたらどうしよう? 私の言葉なんて反応しないで、暴力を振るったらどうすれば良い? でも、九条さんは至って冷静だった。 「…何?」 「わ、私。お腹空いたから…早く屋上に行こう?」 まるで、いつかの九条さんが京に我が儘を言うような台詞が口から出る。 もうなんでも良い。 これ以上私の目の前で暴力を振るわないで欲しいっていう。 ただの自己満足なのだから。 「あ…そっか。行こっか。」 九条さんは屋上の方に顔を向けた。