海は茨と亜利哀に顔を向け、言う。 「友達か?」 「そんな感じ。」 亜利哀の澄んだ声。 私は思い出して、茨に聞いた。 「…さっきの人、どうしたの?」 「は?」 「さっきの…茶髪の人。」 茨は不機嫌そうに、美形を歪ませて舌打ちをする。 「殺すのは無理だけど、半殺し気味?」 「半殺し!?」 それじゃあ、まだ足りないみたいに茨は言っている。 隣に立つ海は、私の肩を支えてくれるけど何も言わない。 「あんたねぇ…。」 “半殺し”で驚いた私に茨は溜め息を吐いた。