みんな、何かを間違えていると思う。
海はヤらないって言っていたし。
…何故、今日泊まれって言ったんだろう?
思考があっちこっちに飛んで、リンスを出したつもりがシャンプーで、二回も髪の毛を洗う事になった。
ダボダボのスウェットを着て、二階に上がった。
海の部屋に入ると、電気が点きっぱなしのまま海がさっきと同じ体制で寝ている。
「…綺麗。」
思わず出てしまった言葉。
こんなに綺麗な人を初めて見たと思う。
私は手を伸ばして、金髪に触ってみた。
海の耳にはもう黒い石のピアスが付けてある。
そして…海の透き通った目が開かれた。
「…。」
少しの沈黙が流れる。



