「おまっ、幽霊かと思った。やべぇ心臓が痛い。」
驚いた顔で私を見て、心臓の辺りの服を握りしめる。
「…京って、怪談ダメなの?」
「ダメ。だから、イジメられた時は怖い話をしてあげな。」
私は聞くと九条さんから答えが返ってきた。
しかも楽しそうに。
「んで、どうしたの?」
しきり直すように、九条さんは言った。
「あ…お風呂に入りたいのだけど…。」
「何かい、うーちゃんもしかしてついに初たっ……ゔ。」
調子に乗った京が九条さんのチョップによって、呻き声をあげる。
自業自得だと思う。
「おいで。着替えあるかな。」
九条さんは京を放って、立ち上がりリビングを出て行くのに続いた。



