静止した海。 「…海?」 私が声をかけるまで、本当に動かなかった。 「あぁ。」 「どうしたの?コレ、嫌だった?もしかして持ってた!?」 パニックに陥る私を余所に、海はピアスに見入っている。 「いや、マジ…。」 時計の秒針が聞こえてくる。 「…嬉しい。」 そして、違う方を向いてしまった。 私は目をパチクリさせながら、金髪で隠れる海の顔を見る。 「…またしても、照れてる?」 「またしてもって言うんじゃねぇ。」 返ってくる言葉は、ソレを肯定してるようにしか聞こえない。 私はクスクス笑った。