それでも、プレゼントの箱を差し出したまま。
海は私の右手首ごと掴んだ。
…私の手首はプレゼントに入ってません…。
「…開けて良いか?」
恐る恐る声を出す。
私は頷いた。
何を恐れてるのか分からないけど、海は慎重に箱を開けた。
私がびっくり箱でも渡すとか思ってるのだろうか?
慎重な海を私も静かに見ていた。
開けた箱の中には、ビョーンと飛び出す人形やハズレの紙なんか入ってなくて。
あの日買った黒い石のピアス。
穴を空けていない私が、この黒い石の意味なんてよく覚えていなくて。
…ただ。
何か場違いな意味だったのかな?と少し心配になった。



