私の目にも、海の耳が映る。
思い出した。
「プレゼント。」
「は?」
「バッグ。」
単語しか発さない私に、覆い被さっていた海は退いて、ベッドの横に手を伸ばす。
私のバッグが出てきて、渡された。
起き上がって、バッグの中から、小さな箱を取り出す。
そして、その箱を海に渡す。
「…おめでとう。」
まだ寝転んでる海は、上目遣いにこっちを見た。
悪いけど…可愛いってゆーか、睨んでるみたい。
暗闇でよく見えないからか、眉に力を入れてる。
海は起き上がり、電気のリモコンを取って電気をつけた。
急に明るくなって目がチカチカする。



